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暮しの記憶~クラシノキオク~

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2008年 04月 12日

いっせいに咲きはじめた。
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祖母が亡くなったのは、ちょうど花が盛りの季節だった。
その年は桜の開花も遅れ、祖母が亡くなるのを待っていたかのように
色々な花々がいっせいに咲き乱れたのを覚えている。

花が大好きで、いつも病室に花を欠かさない祖母だった。

九州出身の祖母には、こちらに自分の子供以外に
血の繋がった兄弟も親戚もいなかった。

祖母が、いよいよあとわずかな命だと知らされて、九州から実の妹が会いに来ることになった。
でも妹が会いに来ることで、祖母に自分の命があとわずかだと悟られると困る。

その妹さんは、偶然を装って突然病室にやってきた。
なにも知らされていなく、十何年ぶりぐらいに突然妹が病室に入ってきた姿を見て
祖母はすごく驚いて、そして二人は言葉もなく手をとりあって涙ぐんでいた。

妹は「偶然こちらに旅行に来たので家に寄ったら、
姉さんが入院していると聞いたので会いに来てみた」と大芝居をした。
でも本当はそのとき、祖母は自分の命の期限を悟ったのかもしれない。

それから本当に1週間ぐらいで祖母は亡くなった。
あれからもう8年ぐらい経つのではなかったけ。

ちょうど季節のせいか、この何日か祖母が私の夢に登場している。

桜_f0156303_2063698.jpg

桜のトンネル。どこまでも続いていってほしい。

by anemonexs | 2008-04-12 20:26 | 写真


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